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大阪市都島区友渕町2-1-5
ともぶちクリニックビル1F

リハビリテーションREHABILITATION

整形外科におけるリハビリテーションとは

リハビリテーション

整形外科におけるリハビリテーションは、骨・関節・筋肉・神経などの運動器に障害や痛みがある患者様に対して、運動機能の回復や維持、日常生活への早期復帰を目指して行う治療の一環です。骨折や関節のけがや病気、神経の損傷、手術した後の回復期など、低下した体の機能を取り戻すため、さまざまな場面でリハビリテーションは重要な役割を果たします。

リハビリの目的は単に「動かせるようにする」ことではなく、「再び生活の中で使えるようにする」ことにあります。歩く、立ち上がる、物をつかむ、家事をする――こうした日常動作を取り戻すことが目的となります。また社会生活やスポーツに復帰するための高いレベルでの回復を目指す場合もあります。

当院では医師および理学療法士や作業療法士がチームとなり、患者様それぞれの症状や生活背景、目標などに合わせて個別のブログラムを作成し、リハビリテーションを行っていきます。

こんな症状があればリハビリテーションをご検討ください

以下のような症状や状態に心当たりがある方は、リハビリテーションを受けることで機能の改善や痛みの軽減が期待できます。気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。

  • 関節や筋肉の痛みが続いている
  • 肩が上がらない、腕がうまく動かせない
  • 歩行が不安定になってきた
  • 腰や膝が痛く、階段や立ち上がりがつらい
  • 手や指がこわばって細かい作業がしづらい
  • 骨折・捻挫などのけがの後、うまく動かせない
  • 手術後の機能回復を目指したい
  • 麻痺やしびれが残って日常生活に支障がある
  • スポーツでけがをした
  • スポーツを続けていたら痛みが出た など

高齢の方では、関節の変形や筋力低下により日常生活が制限されることが多く、要介護状態とならないためにも、リハビリによる早期の介入が重要です。また、手や腕の細かな機能に関しては、専門的な訓練が必要となる場合もあります。

当院がリハビリテーションで行うこと

当院では、整形外科領域に特化したリハビリテーションを提供しています。運動機能の回復を目的とする「理学療法」、日常生活動作の改善を目指す「作業療法」などを通じて、それぞれの患者様に合ったリハビリを行います。

理学療法

理学療法(Physical Therapy)には、「運動療法」や「物理療法」などがあり、運動機能の維持・改善・回復を目的とした治療法です。理学療法士が患者様の身体の状態や疾患に応じて個別にプログラムを作成し、適切な運動や物理的手法を用いて痛みの軽減や機能の向上を図ります。手術やけがの後、または慢性的な痛みのある方にも広く適応されます。

運動療法

運動療法は、筋力・関節可動域・柔軟性・バランス能力などを改善するための運動プログラムです。歩行訓練、関節の動きの改善、姿勢の調整、筋力強化などを通じて、日常生活に必要な動作を無理なく取り戻せるようサポートします。

運動療法では、以下のような道具や器具を使用する場合があります。

  • セラバンド(ゴムバンド)
  • バランスボールやストレッチポール
  • 重錘バンド(足や手に巻く重り)
  • エルゴメーター(自転車型運動器具)
  • 平行棒や階段模型 など

理学療法士(PT)は、患者様の状態を評価した上で、個別のプログラムを立ててトレーニングを行います。筋力や柔軟性を高めるためのレジスタンストレーニング、関節可動域を広げる他動的なストレッチや関節モビライゼーション、歩行バランス訓練や姿勢の矯正などを、マンツーマンで、個々の状態に合わせ、無理のない範囲で段階的に行います。その際、痛みのある部位をかばいすぎないよう、動作の癖も見極めて指導します。

物理療法

物理療法では、温熱・電気・超音波・牽引などの物理的な手段を使って、筋肉の緊張緩和や血流改善、痛みの軽減を図ります。たとえば、腰や肩の慢性的な痛み、手術後の腫れ、神経の圧迫による症状などに対しても有効です。痛みに配慮しながら、治療と運動療法の効果を高めるために併用されることが多くあります。

物理療法では、以下のような機器を使用する場合があります。

  • ホットパック加温器(温熱療法)
  • 干渉波治療器・低周波治療器(電気刺激)
  • 超音波治療器
  • 牽引治療装置(頚椎・腰椎)
  • マイクロ波治療器(深部加温) など

物理療法では、PTが機器の特性と患者様の状態をふまえ、適切な出力や照射時間、部位の選定を行います。たとえば、筋緊張が強い患者様には温熱療法、神経痛には干渉波、深部組織の炎症には超音波など、痛みや炎症のメカニズムに合わせて選択します。施術中は患者様の反応や変化を観察し、必要があれば強度や方法を調整します。

作業療法

作業療法(Occupational Therapy)は、日常生活動作(ADL)や手作業の機能を改善し、生活の質(QOL)を向上させるためのリハビリテーションです。食事や更衣、整容、書字や家事動作など、その人らしい「生活」を取り戻すことを目的としています。とくに手や上肢の疾患に対するリハビリにおいては、作業療法士による繊細で実践的な訓練が不可欠です。

作業療法では、以下のような道具や器具を使用する場合があります

  • ペグボード(指先の巧緻動作訓練)
  • ハンドグリップや握力ボール
  • 洗濯ばさみ・箸・ボタン練習具(ADL訓練用)
  • スプリント(関節の固定・補助具)
  • 日常生活動作用の模擬設備(流し台、衣類、食器 など) など

作業療法士(OT)は、患者様が日常生活に戻るために必要な「手の使い方」や「動作の質」に着目し、動作訓練・道具操作・生活指導を行います。たとえば、手のけがや手術後には、関節拘縮を防ぐスプリントの調整や、自助具を使った動作練習を行い、必要に応じて指導も加えます。高齢者には、生活リズムや環境面への配慮も含めて支援することがあります。

手外科を対象とする場合の作業療法

手外科手術後や、手指・手首の疾患によって動作が制限されている場合には、作業療法が非常に有効です。ばね指や手根管症候群、腱損傷、関節拘縮などでは、関節の動きを取り戻すだけでなく、「つかむ」「つまむ」「回す」といった日常的な動作を再習得するための訓練が必要です。当院では、手外科専門医と作業療法士が連携し、適切な時期と方法でリハビリを進めていきます。

脊髄損傷後を対象とする場合の作業療法

脊髄損傷後のリハビリでは、運動機能の回復だけでなく、日常生活をいかに自立して過ごせるかという視点が重要になります。作業療法では、麻痺が残った手の機能訓練、装具の活用、身の回りの動作の訓練などを行い、生活の質を高めるための支援を行います。可能な限り「できること」を増やしていくことが、患者様ご本人にもご家族にも大きな安心をもたらします。