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骨折FRACTURE

骨折とは

骨折

骨折とは、外部からの力や内部の異常によって、折れる、ひびが入る、潰れるなどし、骨の連続性が部分的または完全に断たれた状態を指します。骨は強度を持っていますが、それを上回る衝撃や慢性的な負荷、病気による強度低下などによって折れてしまうことがあります。骨折は多くの場合、交通事故や転倒といった突発的な衝撃で起きますが、骨の強度が低下していると、日常生活の中でも骨折することがあります。

高齢者では、ちょっとした転倒でも骨が折れやすくなり、とくに股関節や背骨の骨折は寝たきりの原因になることもあります。若年層では、スポーツや労働中のけがによって骨折することが多く、適切な治療とリハビリが必要になります。

骨折の種類

骨折にはさまざまなタイプがあり、折れ方や状態、原因などによって、さまざまに分類されます。たとえば骨折は、骨が完全に折れてしまう「完全骨折」と、骨の一部にヒビが入ったような状態である「不全骨折」に分けられます。不全骨折には、骨に細かな割れ目が入る「亀裂骨折」や、成長期のお子様によくみられる「骨膜下骨折」などがあります。そのほかにも下記のような種類に分けられます。

骨折の状態による分類

単純骨折(閉鎖性骨折)

骨が折れているにもかかわらず、皮膚の表面が破れていない骨折です。外見上は腫れや変形だけで、出血が見られないことが多く、適切に固定すれば比較的合併症が少なく治癒します。

複雑骨折(開放性骨折)

骨折と同時に皮膚が裂け、骨や骨片が外部に露出している骨折です。感染リスクが非常に高く、迅速な処置と抗菌薬の投与、場合によっては手術が必要になります。

骨折の原因による分類

外傷性骨折

転倒や衝突、交通事故、スポーツ外傷などによる強い衝撃で起こる骨折です。あらゆる年齢層で起こりますが、とくに高齢者やスポーツをする若年層で多く見られます。スポーツでは、ジャンプや接触プレーなどでの衝撃が原因となることが多く、サッカーやバスケットボール、ラグビーなどでよくみられます。

疲労骨折

繰り返される軽度な衝撃や負荷が骨に蓄積されて生じる骨折です。スポーツや身体を使う労働で生じることが多い「オーバーユース」によるもので、例としてマラソン選手やダンサー、テニスやゴルフのプレーヤー、野球の投手などに多くみられます。初期は違和感程度で始まることが多く、レントゲンでも写らない場合があり、見逃されることも少なくありません。

脆弱性骨折

骨粗鬆症などによって骨がもろくなっている状態で、わずかな衝撃や転倒でも骨折が生じるタイプです。代表的なのは、大腿骨近位部骨折(脚の付け根)や脊椎圧迫骨折です。高齢者の骨折原因として最も多く、再発リスクも高くなっています。

病的骨折

がんの骨転移や骨の良性腫瘍、先天性の骨疾患など、骨そのものの病変により強度が低下し、通常では折れないような力でも骨折する状態です。原因となる基礎疾患の治療が並行して必要になります。

骨折の症状

骨折すると、強い痛みや患部の腫れ、皮膚の変色(内出血によるアザ)が生じます。アザは後から現れることもあり、受傷から数日後にアザが現れた場合は、骨折していることが疑われます。骨がずれたり変形したりしている場合には、目に見えて関節や骨の形状が異常になっていることもあります。動かそうとしても力が入らない、患部を動かすとギシギシ、ポキポキと音がする(軋轢音)こともあります。

また、骨折によって冷や汗・めまい・吐き気・血圧低下などの症状を伴うことがあります。これは、ひとつには自律神経性のショック症状として現れるものです。さらに注意しなければならないのが、骨盤骨折などに伴う出血性ショック症状の場合です。交通事故や転落などによる場合がありますが、相当量の血液が溜まってから自覚症状が現れます。高齢の方では受傷直後は歩けたものの、数時間後に動けなくなって骨盤骨折が判明するということもあるため、注意が必要です。

骨折を放置したり、不適切な処置を受けたまま自然に治そうとすると、骨がずれたままくっついてしまったり、関節の動きが悪くなる、痛みが慢性化する、骨の変形が残るといった後遺症が残ることがあります。とくに成長期のお子様や高齢の方では、骨の治り方に注意が必要であり、医師の指導のもと適切な治療を受けることが重要です。

骨折の検査

骨折の診断には、まずレントゲン(X線)検査が基本となります。骨の位置や形、折れた状態、ずれの有無を確認するために複数方向から撮影します。ただし、初期の不全骨折(とくに疲労骨折の場合 など)ではレントゲンで見つからないこともあり、その場合はMRIやCTによって詳しく調べることがあります。必要に応じて骨密度測定も行い、骨粗鬆症の有無や脆弱性骨折のリスクを評価します。

骨折の治療

骨折の治療は、折れた骨を正しい位置に整復し、固定して自然治癒を促すことが基本です。初期対応としては、患部を無理に動かさず、冷却と安静を保ち、三角巾や添え木などで応急固定を行います。外傷性の骨折では出血を伴うことがあるため、清潔な布などで圧迫止血を行い、速やかに受診してください。整形外科で行う治療には以下の方法があります。

保存療法(非手術的治療)

骨折のずれが少ない場合には、ギプスやシーネ(副木)による固定で自然に骨がつくのを待ちます。

整復

ずれのある骨折では、医師が手で骨を元の位置に戻す処置を行います(徒手整復)。

手術療法

骨が粉砕されている場合や、関節の骨折で整復・固定が難しい場合には、プレート、スクリュー、髄内釘(ロッド)などを使った内固定術が行われます。手術が必要と判断した場合は、連携する医療機関をご紹介いたします。

治療後は、骨がくっつくまでの間にリハビリテーションを行い、筋力や関節の可動域を維持・回復させることが大切です。とくに高齢者では、骨折を機に運動量が減ってしまうと、体力や認知機能の低下にもつながるため、早期からの適切なリハビリが重要となります。