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変形性関節症ARTHROSIS

変形性関節症とは

変形性関節症

変形性関節症とは、加齢や長年の関節の酷使、けが、筋力の低下、骨格の異常などをきっかけに、関節の軟骨がすり減り、関節の変形や痛みが起こる慢性的な疾患です。関節は、骨と骨の間にある軟骨がクッションの役割を果たすことでスムーズに動きますが、この軟骨が傷つくと関節にかかる負担が増え、炎症や骨の変形を引き起こします。

とくに膝や股関節、指、脊椎など、日常生活でよく使う関節に多くみられ、初期には違和感やこわばり程度の軽い症状でも、進行するにつれて動作時の痛みや歩行困難、運動制限、日常生活への支障が強くなっていきます。高齢者に多い疾患ですが、若い方でもスポーツ歴や関節への負担が大きい仕事・生活習慣がある場合には発症することがあります。

関節は一度変形してしまうと自然に元に戻ることはないため、早期の診断と適切な治療が重要です。それにより進行を抑え、痛みの軽減や生活の質の維持を図っていきます。

変形性関節症の種類

変形性関節症は、身体のどの関節に起きるかによって症状や特徴が異なります。ここでは代表的な部位別の変形性関節症についてご紹介します。

変形性膝関節症

膝に起こる変形性関節症は非常に多く、とくに中高年の女性に多く見られます。長年の膝への負担や、肥満、O脚による関節の偏った使い方などが原因で、軟骨が徐々にすり減っていきます。初期には立ち上がりや歩き始めに膝が痛む程度ですが、進行すると階段の上り下りがつらくなり、安静時にも痛みを感じるようになります。さらに悪化すると、関節が変形して歩行に支障をきたすこともあります。

変形性膝関節症は、早めに治療を始めることで進行を防ぐことができるため、日常的な膝の痛みを放置しないことが大切です。治療は、体重管理、筋力トレーニング、関節への負担軽減を目的とした運動療法、薬物療法が中心となります。進行した例では関節内注射や人工関節置換術が検討されます。

変形性股関節症

股関節は体重を支える大きな関節の一つで、この部位に起こる変形性関節症は、骨盤と太ももの骨の間にある軟骨の摩耗によって生じます。日本では、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全といった、股関節の形態異常を背景に起こるケースが多く、女性に多く見られます。

最初は長く歩いた後に違和感を覚える程度ですが、進行すると股関節の動きが制限され、靴下を履けない、足の爪を切れないといった日常動作や、正座やしゃがむ動作が難しくなります。さらに悪化すると痛みで歩行が困難となます。治療は、保存療法としての運動療法や杖の使用、痛み止めの内服や注射に加え、重症例では人工股関節置換術が有効です。

変形性肘関節症

肘関節に起きる変形性関節症は、野球やテニス、重い荷物を繰り返し持ち上げる仕事などによる慢性的な負担が原因で起こります。肘の使いすぎによって軟骨が摩耗し、関節内に骨の棘(骨棘)ができることで動かしにくさや痛みが出てきます。過去の骨折や脱臼が原因になることも少なくありません。

症状としては、肘の曲げ伸ばし時の痛み、ひっかかり感、腕を伸ばしきれないといった関節の動きの制限などがあり、日常生活にも不便を感じるようになります。放置すると関節の変形が進み、機能障害を残すことがあります。治療は、関節の可動域維持を目的とした運動療法や薬物療法が中心ですが、関節内の遊離体(関節ねずみ)がある場合は、関節鏡視下での除去手術が行われることもあります。

変形性指関節症

指の関節に起こる変形性関節症は、とくに中高年の女性に多く見られます。原因には手をよく使う仕事や家事、ホルモンバランスの影響が関係していると考えられており、第一関節が変形する「へバーデン結節」、第二関節が変形する「ブシャール結節」といった形で現れます。関節が腫れて痛む、動かしにくい、関節が太くなるなどの症状が出現し、進行すると変形が目立つようになります。

日常生活での細かな作業や、握る動作が困難になることもありますが、早期に対応することで痛みを軽減し、変形の進行を抑えることが可能です。治療は主に保存療法で、痛みが強い場合には消炎鎮痛薬や固定、必要に応じて注射療法を行います。手術が必要となるケースはまれです。

母指CM関節症

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変形性脊椎症

変形性脊椎症は、背骨(脊椎)の関節や椎間板が加齢などにより変性し、骨棘(こつきょく)と呼ばれる突起ができたり、椎間板がすり減ったり、神経の通り道が狭くなることで、背中や首、腰に痛みやこり、しびれなどの症状が出る疾患です。とくに頸椎や腰椎に起こりやすく、神経が圧迫されると手足のしびれや力の入りにくさのほか、筋力低下が現れることもあります。

初期には違和感程度でも、進行すると脊柱管狭窄症や神経根症などの合併症を引き起こすこともあり、日常生活に影響を与えます。画像診断と神経所見をもとに、薬物療法や運動療法、神経ブロック注射などの保存療法を行い、重症例では手術を検討することもあります。

変形性関節症の治療

変形性関節症の治療は、進行の度合いや患者様の年齢・生活スタイルに応じて柔軟に対応していくことが大切です。治療の基本は保存療法であり、痛みの緩和と関節機能の維持、日常生活の質(QOL)の向上を目指します。

保存療法としては薬物療法やリハビリテーションがあります。薬物療法では、鎮痛薬や湿布のほか、関節内注射(ヒアルロン酸製剤 など)が有効です。またリハビリでは、関節周囲の筋力を鍛える運動療法、装具やサポーターによる関節の安定化などがあります。とくに、膝や股関節など体重を支える関節では、筋力トレーニングや歩行バランスの改善によって症状が大きく軽減されることがあります。さらに体重のコントロールなどを目指した生活習慣の改善も、関節への負担を軽減するために重要となります。

進行して関節の破壊や変形が強く、日常生活に著しい支障をきたしている場合には、人工関節置換術や関節鏡を用いた手術が検討されます。手術により、痛みの軽減や関節機能の改善が期待できる一方で、手術後のリハビリや生活指導も重要なポイントになります。当院では手術が必要となった場合は、連携する専門の医療機関をご紹介いたします。術後の管理、リハビリテーションは当院で行うことが可能です。